労働安全衛生法/政省令案の改正について

今年(平成28年)6月より、労働安全衛生法が改正され、化学物質のリスクアセスメントの義務、並びに有害物質のラベル表示、及びSDS(安全データシート)の交付義務が課せられます。
640物質を対象にこれらの制度が始まるのですが、対象物質を拡大するための政省令改正案が労働政策審議会へ諮問され、その内容が妥当であると答申されました。
平成29年3月1日の施行に向けて改正作業が進むようですので、今回はその内容を簡単に紹介したいと思います。

「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令案要綱」と「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」の諮問と答申 ~ 27物質を労働安全衛生法施行令別表第9に追加します ~

政省令案の概要(PDFファイル)

1 政令の改正内容
新たに27の対象物質を追加するため、別表9の改正を行います。

平成27年度化学物質のリスク評価に係る企画検討会報告書で新規候補物質が検討されました。
「米国労働衛生専門家会議(ACGIH)が許容濃度を勧告するなど、国際的に一定の有害性の評価が確立された物質を中心に38の化学物質について」(政省令案の概要p3)新たな指定の必要性が検討され、結論として、27物質が候補物質として挙げられました。今回の審議会の答申は、これを妥当としたということです。

27物質のうち、アルミニウムについては、粉状のものに限り対象物質とされました。従って、塊になっているようなアルミニウムは対象物質とはならないということでしょう。

2 省令の改正内容
政令の別表9に新たに追加する対象物質について、裾切値(当該物質の含有量がその未満の場合、表示義務等の対象としない)が設定されました。

3 施行期日
平成29年3月1日
但し、施行日に現に存在する追加対象物質については、安衛法第57条1項の規定(ラベル表示)の適用を平成29年8月31日まで行わないことするようです。

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