書籍『化学の基礎から学ぶ やさしい化学物質のリスクアセスメント』

本年6月から労働安全衛生法が改正され、化学物質のリスクアセスメントが義務化されることは、何度かブログで紹介しました。

化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針(20151013)
改正労安法/化学物質のリスクアセスメントについて(20151223)

法的義務に違反しないための方策については、これまでのブログをご覧いただければ十分なのですが、もう少し化学物質のリスクアセスメントについて勉強してみようと思い、手に取ったのがタイトルでご紹介した書籍です。

『化学の基礎から学ぶ やさしい化学物質のリスクアセスメント』

私が参考になったと思った点は、次の3つです。

1.定性的方法によるリスクアセスメントの方法を具体的に知ることができたこと
2.コントロールバンディングの問題点と、その理由を知ることができたこと
3.リスク低減措置の具体例が紹介されていたこと

2について、コントロールバンディングではリスクが過大に評価される傾向があるのですが、その理由が記載されています。定性的方法では考慮される、環境改善対策や、作業服の汚れに関する事項が考慮されていないことが原因だとしています(p44)。私はそれに加えて、作業時間、作業頻度が同様に考慮されていないことも原因だと考えています。

また、環境改善対策が反映されない評価方法では、改善活動を考慮に入れた労働安全衛生管理活動ができないことを意味しますので、OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)のような、PDCAを通じた改善活動にはなじまない点が、大きな問題だと指摘しています(p55)。

価格は手ごろ(税込み価格864円)で、記載内容も平易です。私のように化学の知識に乏しい者でも、大変参考になりました。ぜひ皆様もお手に取って読んで頂ければと思います。

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