女性活躍推進法/事業主行動計画策定指針(3)
女性活躍推進法/事業牛行動計画策定指針についての、第3回目のブログです。
第1回目では、女性活躍の意義や課題、第2回目では、組織体制の整備と状況把握・課題分析について述べました。
今回は、計画の策定、周知、公表、届出まで説明します。
1 行動計画の策定
行動計画には、
1.計画期間
2.数値目標
3.取組内容及び実施時期
を定める必要があります。そしてその計画には、状況把握・課題分析を考慮して定めることが求められています(法8条2項、3項)。
(1)計画期間
女性活躍推進法は、10年の時限立法となっています。そして、行動計画は進捗状況を見て、改定していくことが予定されているようです。従って、期間は2年から5年程度の計画として、定期的な見直しをすることが望ましいとされています。
(2)数値目標
状況把握・課題分析の結果をみて、個別の会社にふさわしい目標を設定すればよいとしています。「必ずしも、管理職に占める女性比率の上昇等に向けた数値目標である必要はない。」とわざわざ書いているくらいです。この法律が、巷で言われるような一面的な側面だけを強調しているわけでないことに注意が必要です。
(3)取組内容の選定・実施時期の決定
数値目標を設定したものについて、優先順位をつけてその目標を達成するための取組内容と時期を決めるとしています。
取組を行っていくにあたっては、性別にかかわりのない公正な採用、配置、育成、評価、登用が徹底される必要があるとしています。
そのうえで、例えば両立支援施策の整備が進んでいても、それを利用する者が少ないといった問題がある場合は、組織風土や、長時間労働等の働き方の問題を解決することが効果的であると指摘しています。
ところで、計画策定のプロセスの中で、派遣労働者についてはどのように取り扱えばよいのでしょうか。
指針のなかでは、一人一人の職業生活を通じた取組は派遣元、職場風土や長時間労働の是正といった課題は派遣先がそれぞれ取組んでいくことが必要とされています。従って、派遣先で職場風土や長時間労働の課題に取り組む場合は、派遣労働者を含めた取組が求められるとしています。
2 行動計画の周知・公表
(1)周知
行動計画は労働者に周知する必要があります(法8条4項及び8項)。書面交付、電子メールによる送付が、指針の中で例示されています。
(2)公表
自社のWebサイトや国が運営する「女性の活躍・両立支援総合サイト」に公表します。いずれか一つで問題ありません。
求職者、投資家、消費者等が知ることができるように、また、事業主が相互に取組内容を共有することができるように、ということが目的であるとしています。
3 計画の届出
計画の届出については、計画そのものを提出するのではなく、以下の内容を記載した書面を都道府県労働局へ提出します。
1.事業主の氏名又は名称及び住所(法人の場合は、代表者の氏名)
2.常時雇用する労働者の人数
3.計画の策定・変更日
4.計画の計画期間
5.状況分析の概況
6.計画の目標と取組内容の概況
7.計画の労働者への周知方法
8.計画の外部への公表方法
9.情報公表の方法
届出の参考書式は、単独のものと、次世代法の行動計画と一体となったものがこちらに用意されていますが、上記内容が具備されたものであれば、用意された書式以外のものでも提出できます。
以上が、計画策定から公表、届出までの流れです。
次回は、計画の推進と計画以外の情報公表について説明したいと思います。
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